一度死んできたかのような状況

先日から新たな就業先に勤務しているわけだけど、今回の業務では四輪車であちこち移動するとの話。しかし、以前は仕事で二輪を乗り回してはいたものの、四輪の方は免許を取って以来一度も乗っておらず・・・かなりペーパーのような状況(二輪の時もたいがいだったけど)。なんでそんな仕事選んどるねんという話になりそうだけど、ひとまずいざ運転しろと言われても対応できるよう、GW中はレンタカーを借りてリハビリをしておりました。

二輪と四輪では、まず車幅が全然違うし、四輪は基本密閉空間で風が感じられないせいでスピード感にも相当な差があり、更に自分は未知の状況に対してはかなりビビリというのもあって・・・最初の2時間程度はひどいドキドキ状況でハンドルを握る。しかし、交通の流れを読む力・安全運転するうえでのカンのようなものは、二輪のときの経験が純粋に活きていたようで、前述した差違さえ吸収してしまえばこっちのものという感じ。特訓初日の終わりがけには平気で割り込みやら何やらとやっちゃったり。FBで触れたとおり、車庫入れにはかなり苦しまされたものの、それも一応の決着を見ることができましたとさ。

そして、この日曜のこと・・・




この日曜日もリハビリ。左京区内の某所で車庫入れの練習に目処がついて、さあどうしようかという状況。この時に借りた車両はカーナビが標準でついていたので、思い切ってあちこち走り回ってみることに。
ポチポチ操作していると、現在地から割と近いところに鞍馬の文字が目に入ってくる。そういえば京都に来てから一度も行ったことないなーと思いつつ、ひとまずそこを次の目的地に決定。
いざ進んでみると、街に比べてやたらと狭い部分が多くて、なかなか一苦労。それでもまあ特に支障もなく、併走する叡山電車をのんびり眺めながら鞍馬まで到着。
そこでゆっくり寺でも見にいけば良いところだけど、高々500円の駐車場代を払う気が起こらなくて、寺の前をスルーして直進。おそらく、この判断が悪夢の始まりであったかと・・・。
(わかってる人は、もうこの時点で色々わかるでしょうね)

来たことがなけりゃ、この辺の地理もサッパリというわけで・・・それでもいざとなればカーナビに頼ればなんとかなるだろうという安易な気持ちで、ろくに道も調べずに適当に直進し続けてみる。完全に車1台しか通れないだろうというような道が数百メートル続いてたり、山特有のあのグニャグニャカーブが激しさを増してきたり・・・流石に途中から「うーん、ちょっとこのままじゃやばい気がするな・・・」と思い始めてきたので、適当に広いところに止まってカーナビ様をいじり始める。
表示される地図で見たところでは、このままずっと進んで行って、途中から大原の方へ進むルートを経由して修学院の方まで戻るのが良さそう(次図)。ということで、目的地設定をしていざ出発

そこそこ険しい道が続くものの、まあ順調に進行。そして途中で「右方向に曲がってください」という警告アナウンスが流れる。んー、どこじゃろなーと思いながら進んでみるものの、民家に繋がるっぽい感じのちっさい分かれ道があるぐらいで、なかなか右に曲がる道が見当たらない。
このカーナビは道を間違えた時にはすぐに別ルートを自動検索してアナウンスしてくれる仕様。それでいてしばらく走り続けても何も言ってこなかったので、知らないうちにちゃんと右に曲がれたのかなと思いながら、その後も激しいグニャグニャカーブに苦しみながらもずっと進んでいく。
30分だか走り続けると、ようやく集落っぽいところまでたどり着く。ずっとひどい道が続いたのもあったし、ちょっと休憩で適当なところに止まりつつ、カーナビを再度確認してみる。
え゛・・・着いたところは大原ではなく花脊で、鞍馬から北上する途中で右に曲がり損ねたことになっている(次図)。どないなっとんねん。。。修正アナウンスがなかったっていうのに、あまりにも山奥過ぎて電波があかんかったのか?
(後から考えると、このカーナビは『来た道を戻る』という概念が欠けてるので、修正ルートを探索しきれなかったのかなとも思ったが・・・それでも何百kmという距離さえ許容されるなら、ルート検索自体は成功するよな・・・。なぜあの時に動いてくれなかったのだろう)

この段階で、時刻は15:20だったと思う。そして17〜18時の間にクリーニングに出したスーツを回収しに行かなければならないので、この時点で重度に焦り始める。とりあえず、もう一度大原を目的地設定して再スタート。
今までは概ね登りばかりだったのに対して、今度はずっと下り。教習所で習ったナントカ現象(ブレーキの使いすぎで、止まらなくなるってやつ)になったりしたら嫌だなーと思いながら、Second・Lowを中途半端に利用しつつゆったりとリターン。
そして、カーナビから「700m先を左折してください」とのアナウンス。ずっと注意深く見ていくと・・・・・・先ほど書いた『民家に繋がるっぽい感じのちっさい分かれ道』に差し掛かる。え、まさかこのメッチャ狭いとこ行かなきゃあかんのか;; カーナビの画面も確認してみた、うむ、明らかにこの狭い道に行けとおしゃっている。。。

ここからが本当の地獄というもので、道幅がとんでもなく狭いうえに、勾配も急なところだらけ、おまけにガードレールもないので一歩間違えたら・・・。そして反対側から容赦なく対向車がぽこぽこやってくるし。明らかにペーパードライバーが踏み込むような領域じゃなかった。。。おまけに標高・気圧の影響か、耳の調子まで悪くなってくる。
左走行の右が崖という状況で、対向車が来ても安全な側だったのが不幸中の幸い。始終、後続車が来ず、過度に焦ることも無くて本当に良かった。かなりのゆっくり走行で、なんとか大原までたどり着く。
そして、もう本当に安心したのが、信号に差し掛かって停車したとき。山中にいる間は一切信号に止められることが無く、ずっと走り続けていたかったから、普段は鬱陶しくて仕方ないあの信号が、あたかも極楽浄土への入り口たる門であるかのように思えてしまった。
あとは修学院までマッタリ・・・という訳でもなく、前後の車がやたらと速度を出すのにやや緊張しながら街まで帰還。クリーニング屋にもどうにか間に合いましたとさ。
いやはや、なんとも大変な一日やった・・・

翌朝起きてから、この日自分が通ってきた道のことを調べてみようかなと思って、チョロチョロぐぐってみる。そうすると、色々情報が出てくるわけだが・・・

  Wikipedia: 百井別れ(<=これの掲載写真に注目してほしい)
  Wikipedia: 百井峠

例の『民家に繋がるry』というところに当たる場所が『百井別れ』、そこから先の道が『百井峠』という名称で、一部の人には相当有名な場所らしい。Wikipediaの説明じゃ、国道477号のことも含めて『近畿地方で五指に入る酷道とされている』だとか『ここが近畿地方有数の難所と呼ばれる所以は』だとか『京都市内でも屈指の悪路であり、通行には細心の注意が必要な峠である』だとか・・・。
そして『極端な急勾配であることから冬季間および他の季節でも路面状況によってはスリップを起こす可能性が比較的高い』って・・・本文じゃ書いてなかったけど、この日は突発雨もちょこちょこ降ってたんよね・・・街の方はどうだったのか知らないけど。この説明を目にして思ったわけですよ、一歩間違えれば本当にこの世から旅立っていたかもしれない、無知は罪ということか・・・と。
こんなことを調べてたせいで、その日は新しい就業先へ初出勤だったというのに、朝からひどくブルーな状態。ローテンションのまま仕事へ向かいましたとさ

最後に、百井峠がどんな場所なのか、自分で撮った動画じゃないけどYoutubeで上がってるものを貼り付けておこう。

動画じゃ、道のひどさはわかると思うけど、勾配の激しさがあまり伝わりそうにないのが残念。